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ニューヨークピュアラブストーリー・第六十四話

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「ゆみちゃんも帰ってしまったし、時間も遅

くなってきたし、終わりにしないか」

英樹に、そう提案してきたのは、ジェフと樺

村のアメリカ人チーム側だった。

「そうだな。ゆみちゃんもいないからな」

英樹は、樺村にそう返事した。

「もう逆転だって出来ないだろう」

樺村は、英樹に言った。大差をつけられてい

る日本人チームに逆転の可能性もなかった。

「逆転できても、ゆみちゃんいないし」

「ゆみもいないし、終わりにするか」

日本人チームも、アメリカ人チームも話がま

とまり、その日の試合は終了となった。

飛び級してきて、5年生一の秀才で、可愛い

マドンナになったゆみが帰ってしまった事で

試合終了になるなんて、両チームとも、一体

なんのために野球をしていたのか。

「おまえら、居残り練習な!」

試合を勝利して、すぐ帰ったアメリカ人チー

ムに対し、日本人チームは居残りだった。

A&Pの駐車場に車を停めると、隆はショッ

ピングカートを引いて、ゆみと買い物する。

「まず、野菜を買いましょう」

隆は、ゆみに言われて、野菜売り場に移動す

る。いつも会社で働いている隆よりも、家で

料理など家事を担当しているゆみが、日用品

の買い物は主役だった。

「終わったら、ダゴスティーノも行きたい」

ゆみは、A&Pの買い物を終えると、荷物を

トランクに積みながら、隆に言った。

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