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クルージング教室物語・第六話

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「隆のヨットも春先にクルー募集するの?」

麻美子は、隆に聞いた。

ヨットを動かすには、セイルを上げたり下ろ

したり色々と作業があるので、1人で乗るの

は大変なのです。なので、ヨットによっては

一緒に乗ってくれるクルーを募集します。

「うちは、クルーってわけではないけどね」

隆は、麻美子に答えた。

「うちのヨットでもクルーが欲しいの?」

「私じゃなくて、隆のヨットにもクルーがい

たら、私が乗らなくても乗れるでしょう」

「麻美は、ヨットに乗りたくないんだ」

「そういうわけじゃないけどさ」

麻美子は、隆に返事した。

「クルーがいれば、私が毎週毎週、隆につき

合って、ヨットに乗りに来なくても、隆だけ

でもヨットに乗れるだろうし」

「俺は、別に麻美と一緒に乗りたいけど」

「それは、どういう意味?」

麻美子は、思わず隆に聞き返してしまった。

「クルーがいれば、私が用事ある時でも、隆

は、クルーと一緒にヨット乗れるでしょう」

麻美子は、隆に答えた。

「麻美、他に用事なんかあるんだ」

「それは、私だって色々忙しいからね」

麻美子は、隆に答えた。

「春先に来るのは、クルーでなく生徒だよ」

隆は、麻美子に説明した。

「生徒?」

「そう、クルージング教室の生徒さん」

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