隆のヨットの船名は「ラッコ」という。
フィンランド製のナウティキャット33とい
うセーリングクルーザーで、船首には、動物
のラッコが貝を抱えているフィギャアヘッド
が付いている。
船のフィギャアヘッドといえば女神像だ。
それが、隆のヨットには、先頭に動物のラッ
コガ付いているのが、いかにも隆の船らしく
て麻美子は気に入っていた。
隆がヨットを保管しているマリーナでは、毎
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隆のヨットの船名は「ラッコ」という。
フィンランド製のナウティキャット33とい
うセーリングクルーザーで、船首には、動物
のラッコが貝を抱えているフィギャアヘッド
が付いている。
船のフィギャアヘッドといえば女神像だ。
それが、隆のヨットには、先頭に動物のラッ
コガ付いているのが、いかにも隆の船らしく
て麻美子は気に入っていた。
隆がヨットを保管しているマリーナでは、毎
年4月から10月に、クルージング教室を開
催している。クルージング教室に参加した生
徒達は、初日に座学でヨットを操船するため
の基本的なことを学び、次週から10月まで
マリーナに保管されているヨットに振り分け
られて、各ヨットに乗りながら、操船方法に
ついて、各オーナーから学ぶのだった。
「その生徒さんが、隆のヨットにも来るの」
隆は、麻美子に頷いた。
「来週の日曜日は、そのクルージング教室の
今年度初日、入校式に当たるんだ」
隆は、麻美子に言った。
「かわいい生徒さんがいっぱい来るんだ」
「かわいいかどうかは知らないけど」
「それじゃ、隆も来週からは優しい先生にな
らないとね、間違っても、今まで私に教えて
きたような、操作を間違うとすぐ怒鳴るよう
な教え方はしたらだめよ」
麻美子は、隆に釘を刺した。
「わかっているよ」
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