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ニューヨークピュアラブストーリー・第四十五話

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良明は、ゆみが机の上に置いた自分のお弁当

を、慌ててバッグの中にしまおうとした。

が、その前に、ゆみが取り上げた。

「ダメ!このお弁当はね、良明君のお母さん

が、一生懸命に作ってくれたお弁当なんだか

らね。ここで食べないといけないの!」

ゆみは、良明の許可なく勝手に、良明のお弁

当箱の蓋を開けた。

「え、すごい!ジャパニーズランチ!」

シャロルは、お弁当箱の中身を見て叫んだ。

「ワオ!美味しそう!食べていい?」

マイケルも、良明の弁当を見て、叫んだ。

「ゆみ、食べてみていいかな」

ゆみは、マイケルに聞かれ、良明の方をちら

っと見た。良明は、相変わらず黙っていた。

「いいよ。少しだけなら」

ゆみは、勝手に決めてマイケルに答えた。

マイケルは、弁当箱に付いていた箸を上手に

使って、おかずを一口食べた。

「私も食べたい」

良明のお母さんが作ったお弁当は、大人気で

クラスのアメリカ人たちが挙って、一口ずつ

食べてしまって、お弁当の中身は、半分以上

空っぽになってしまっていた。

「早く食べないと、皆無くなるよ」

ゆみは、良明に箸を手渡しながら言った。で

も、良明は、弁当を食べようとしなかった。

「あたしも一口食べてみたいな」

ゆみが、そう言うと、良明がゆみに持ってい

た箸を返してきた。

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