隆は、ラッコのステアリングを握って、港内

を周りながら、アクエリアスのデッキ上に突

っ立っていた香織に大きな声で声をかけた。

「これから、アンカーロープを引こうと思っ

ていたのよ!」

香織は、自分の足元に置かれているアンカー

ロープを持ち上げると、隆の方に見せた。

「頑張って引いて!」

「もう引いてしまってもいいの?」

チラッとまだ出航準備中の中村さんの方を見