はい。こちらのお問合わせページからご質問頂ければ、ここのヘルプページにてお答えいたします
中古車輸出・第30話
昨今では、他にポルトガル語、ドイツ語、中
国語やロシア語ぐらいでの説明は、あった方
が良いかもしれません。
ゆみの勤務する横浜の貿易会社では、各国の
輸出担当スタッフが豊富に揃っているので、
彼らに訳してもらって、それを、ゆみがホー
ムページに落としこんでいきました。
「マイク、これロシア語に訳してほしいの」
ホームページが完成すると、今井ゆみのホー
ムページに毎日たくさん車のオファーが来る
ようになりました。
中古車輸出・第29話
「わかったよ、シャラン。ハイエースの車を
たくさん掲載するね」
いろいろな日本に在る魅力的な自動車、中古
車を写真付きでホームページにはたくさん掲
載しました。
「うん、お願い。ハイエースは、アフリカ以
外にも世界じゅうで売れるから」
さらに、その車の魅力などを各国語の解説付
きで紹介しました。
英語とフランス語、スペイン語ぐらいで解説
すれば、まず十分でしょう。
中古車輸出・第28話
今井ゆみは、中古車輸出業の仕事をしている
横浜の貿易会社にウェブデザイナーとして就
職しました。
「ゆみ、もっとハイエースをホームページ上
に掲載してよ」
中古車輸出業のお客さんは海外にいるため、
そんな海外のお客様にうちの会社で車を輸出
していますよってことを知ってもらうために
は、ホームページは必須ツールになります。
そのホームページを制作するスタッフとして
今井ゆみは採用されました。
NY恋物語・第100話
「え、なんでわかったんですか」
ヒデキは、岡島さんに聞いた。
「わかるわよ。伊達に男の子1人に、女の子
3人を育ててきていないから」
岡島さんは、ヒデキに答えた。
「でも、ゆみちゃんを連れて来てくれて本
当に嬉しかったわ」
良明のお母さんは、ヒデキに言った。
「最近、いつも隆君にしか会っていなかった
から、ゆみちゃんに会いたかったのよ」
隆は、岡島さんに苦笑していた。
NY恋物語・第99話
「あの、おばさん、ごめんなさい」
ゆみは、岡島さんに謝った。
「何のこと?」
「あのー」
「壊れてしまったバレッタのことかな」
「はい」
「あれでしょ、ヒデキ君に行けとか言われて
ここに来てしまったんでしょう」
「え、どうして?」
ヒデキが、岡島さんの顔を見た。
「わかるわよ、そんなこと」
NY恋物語・第98話
「はい」
「家で、しっかり話すからな」
ゆみは、隆に言われて、家に帰ったらしっか
り怒られることが確定してしまっていた。
「ゆみちゃん!会いたかったのよ」
岡島さんは、ゆみのことをハグした。
「岡島さんは、おまえのことを小さい時、い
ろいろ面倒みてくれた命の恩人なんだぞ」
隆は、ゆみに言った。
「そんな岡島さんに、わざわざ文句を言いに
来るとは、良い度胸しているな」
NY恋物語・第97話
「ううん、していないよ」
ゆみは、慌ててお兄ちゃんに返事した。
「じゃ、なんで今日は、わざわざ文句を言い
に来たんだ」
「それはね」
ゆみは、返事に困っていた。
「ね、隆君。彼女がゆみちゃん?」
「はい、そうです。妹のゆみです」
隆は、ゆみの頭を押してお辞儀させながら、
岡島さんに妹を紹介した。
「ゆみ、後で家に帰ったら話そうな」
NY恋物語・第96話
隆は、ヒデキから受け取ったバレッタを自分
のズボンのポケットにしまうと、ゆみの方を
向いて聞いた。
「ごめんなさい」
ゆみは、兄に謝った。
だから、あんなバレッタ1個で、わざわざ来
たくなかったのだ。兄に知られたら、ぜった
いに怒られるとわかっていたのに。
「ゆみ、おまえは、こんなものが壊される度
に、わざわざ学校の友達の家まで押しかけて
お友達のお母さんに言いつけているのか?」
NY恋物語・第95話
部屋の奥から、ゆみが日常いつも聞いている
聞き覚えのある声が聞こえた。
「ゆみ、おまえ何をやっているの?」
「お兄ちゃん!」
奥の部屋から兄の隆が突然現れたので、ゆみ
は驚いていた。
「良明が、ゆみちゃんの髪留めを階段の上か
ら落として壊してしまったんですよ」
ゆみの代わりに、ヒデキが隆に説明してから
壊れたバレッタを手渡した。
「それで、わざわざ文句を言いに来たのか」
NY恋物語・第94話
優しそうな良明のお母さんの姿を見ているう
ちに、なんでこんなバレッタ一つで文句を言
いに来てしまったのだろうと、自分のことを
悲しくなってしまったのだった。
「ほら、言わなきゃ」
ヒデキが、話を中断したゆみを即した。
「壊れちゃって、学校の階段から落ちたら壊
れてしまったの」
ゆみは、優しそうな良明のお母さんにうまく
今の気持ちを日本語で説明できないでいた。
「え、そこにいるのは、ゆみか?」
NY恋物語・第93話
「ほら、ゆみちゃん」
ヒデキは、ゆみを良明のお母さんの前に立た
せると、壊れたバレッタを持っているゆみの
手を、おばさんの前に差し出させた。
「あら、可愛らしいバレッタじゃないの。ど
うされたの?」
良明のお母さんは、ゆみに聞いた。
「なんか壊れちゃって」
ゆみは、途中まで話しかけて、話を中断して
涙が溢れてきてしまった。
「あのごめんなさい」
NY恋物語・第92話
「こんにちは」
玄関先には、良明のお母さんと思われる女性
が立っていた。
「あら、ヒデキ君」
女性は、皆の中に知っている顔のヒデキの姿
を発見して、声をかけた。
「こんにちは。なんか、彼女が話したいこと
あるらしいんです」
ヒデキは、愛想の良い言葉で、良明のお母さ
んに返事した。
「あら、可愛らしいお嬢さん」
NY恋物語・第91話
「良明のお友達?」
インターホンの女性が言うと、インターホン
が切れた。しばらくすると、玄関の扉が中か
ら開かれた。
「どうしよう?」
ゆみは、不安そうにヒデキの方を見たが、ヒ
デキは知らんぷりしていた。
「やっぱり来なければよかった」
ゆみは、不安になってきた。
「なんで、私ってこんなバレッタ一つで、こ
こへ来てしまったのだろう」
NY恋物語・第90話
ヒデキは、ゆみをインターホンの前に移動さ
せると、自分でベルを押した。
しばらくして、インターホンから優しそうな
女性の日本語の声がした。
「はーい」
ゆみは、ヒデキの方を見ると、首で早く答え
ろよって指図していた。
「あのー、私はヨシュワ、良明君のクラスメ
ートなんですけど」
ゆみは、知る限りの丁寧な日本語でインター
ホン越しに返事した。
NY恋物語・第89話
「なんで、ゆみちゃんの家へ行くの?」
「私たちクラスメートだし、私の家へ遊びに
来てもいいかなと思ったの」
ゆみは、ヒデキに言った。
「何にもない家だけど、犬のメロディーがい
るから、メロディーと遊べるかな」
それを聞いて、ヒデキは、俺だってまだゆみ
ちゃんの家へ遊びに行ったことないのに、な
んでこいつを遊びに行かせないといけないと
少し嫉妬していた。
「だめだよ」
NY恋物語・第88話
「押しなよ」
ヒデキは、ゆみに、突き当りの部屋のインタ
ーホンを指差した。
「私が?」
ゆみがヒデキに聞くと頷いた。良明の方を見
ると、押さないでほしそうだった。
「やっぱりいいわ、私はうちに帰る」
「だめだよ」
「なんかね、良明君が私のことを招待したく
ないみたいなの。だから、良明君と私の家へ
遊びに行こうと思って」
NY恋物語・第87話
エレベーターが17階に停まると、良明は降
りて、右側の廊下を進み始めた。ゆみも、慌
てて降りると、良明の後を追っかけて行く。
「どこに行くの?こっちだよ」
ヒデキは、ゆみたちに声をかけると、反対の
左側の廊下を進み始めた。
「あっちだってよ」
ゆみは、良明の手を握ると、ヒデキたちの方
向へ歩き出した。
「ここだよ」
ヒデキは、突き当りの部屋で立ち止まった。
NY恋物語・第86話
4階に止まったエレベーターに、野球のバッ
トを持ったヒデキたちが乗ってきた。
「ヒデキ君」
「え、何してるの?」
「どこの階に行くかわからないみたい」
ゆみは、ヒデキに言った。
「17階だよ」
ヒデキは、17階のボタンを押した。
エレベーターは、17階へ向かって再度昇り
始めた。
「また昇るのね」
NY恋物語・第85話
エレベーターが動き出したのは、誰かが下の
階からエレベーターを呼んだようだった。
「私の家へ遊びに来る?」
ゆみが良明に聞いても、良明は首を傾げるだ
けではっきりしなかった。
「いい?」
ようやく良明が首を縦に頷いた。
「じゃ、家においで」
ゆみが、7階のボタンを押したが、エレベー
ターは7階を過ぎてしまっていた。
エレベーターは4階に停止した。
NY恋物語・第84話
ゆみがエレベーターに乗ると、良明はエレベ
ーターの扉を閉じた。
「どこに行くの?」
ゆみは、良明に聞いた。良明は、エレベータ
ーのボタンをどこも押していないため、エレ
ベーターはずっと18階に停止していた。
「どうするの?」
ゆみは、良明に聞いた。
「ね、それじゃ私の家に遊びに来ない?」
ゆみが7階のボタンを押そうとした。その時
エレベーターが動き始めた。
NY恋物語・第83話
ゆみも、必死で追いかけて行くと、良明と一
緒に18階の廊下へ出た。
「お願いだからあんまり速く走らないで。私
迷子になちゃう」
ゆみは、泣きそうな顔で良明に頼んだ。良明
は、廊下を進んで行くとエレベーターの前へ
移動した。
「どこに行くの?」
ゆみは、良明に聞いた。エレベーターが来る
と、良明はまた乗りこんだ。
「また乗るの?」
NY恋物語・第82話
良明が左側の廊下を進み始めた。
「そっち?」
ゆみは、良明の後を追って行く。
「ここの家なの?」
ゆみは、突き当りのドアで立ち止まっている
良明に聞いた。良明は、急にUターンすると
廊下を走り始めて、階段室の中へ入った。
「え、そっち?」
ゆみは、必死で良明について行く。
良明は、階段室の階段を下って行くと、18
階の廊下へ出た。
NY恋物語・第81話
良明がすぐ扉を閉じてしまったため、ヒデキ
が降りる直前に押した17階は素通りしてし
まっていた。
「19階に止まったよ」
ゆみが言ったが、良明の反応は無かった。
すると、エレベーターの扉が閉まり始めて、
良明が慌ててエレベーターを降りた。ゆみも
慌ててエレベーターを降りた。
「19階に住んでいたのね」
ゆみが良明に聞いた。良明は、黙って19階
の廊下を歩き始めた。
NY恋物語・第80話
ゆみは、良明の方を見た。すると、良明は、
10階のボタンを押した。
「10階に住んでいるの?」
ゆみは、良明に聞いた。良明は黙ったままだ
ったが、エレベーターは10階で止まった。
「ね、到着したよ」
ゆみは、良明に言った。良明は、10階では
降りずに、今度は19階のボタンを押した。
「19階なの?」
エレベーターは17階で停止したが、良明が
開いた扉をすぐに閉じてしまった。
NY恋物語・第79話
ヒデキが、ゆみに再度念押しすると、エレベ
ーターの17階のボタンを押してから降りて
いった。
「どうしよう?」
ゆみは、良明の顔を覗き込んだ。
「良明君の家に行ってもいい?」
良明は、また首を大きく横に降った。
「そうよね」
エレベーターの扉が閉じて、エレベーターは
そのまま上へ昇り始めた。
「どうする?」
NY恋物語・第78話
エレベーターが4階に到着した。
「それじゃ、ちゃんと良明にバレッタ壊され
たことを、良明のお母さんに言うんだよ」
ヒデキは、壊れたバレッタをゆみの手の中に
握らせると、エレベーターを降りた。
「え、ヒデキ君たちは一緒に行かないの?」
ゆみは、ヒデキに聞いた。
「俺らは、野球するから行かないよ」
「ゆみちゃんは、隆さんがせっかく買ってく
れたバレッタなんだし、絶対に行かないとだ
めだよ」
NY恋物語・第77話
「ゆみちゃんって、ドアマンに顔パスでドア
を開けてもらえちゃうんだ」
「さすが、長く住んでいるだけあるな」
ヒデキと椎名が話していた。
「良明君の家に遊びに行ってみてもいい?」
ゆみが良明に聞くと良明は首を横に振った。
「そうよね、だめよね」
ゆみは、少し残念そうに答えた。
「エレベーター来たよ」
ヒデキが、ゆみたちを呼んだ。
ゆみは、良明の手を引いて、乗り込んだ。
NY恋物語・第76話
エントランスに立っていた黒人ドアマンは、
ゆみの帰ってくる姿を見つけると、すぐにオ
ートロックのドアを解除し開けてくれた。
「サンキュー」
ゆみが入って、その後を3人とも後に続いて
中へ入った。
「ゆみちゃん、顔パスなんだ」
「ヒデキ君だってそうでしょう?」
「いや、俺はたまに止められる」
ヒデキは、ゆみに答えた。
「さすが、ゆみちゃんは長年の居住者!」
NY恋物語・第75話
「椎名君の家ってこっちだった?」
3人は、同じアパートメントらしいが、椎名
の家は、ゆみ達の住んでいる方向とは反対の
はずだった。
「今日はヒデキの家に1回寄ってから、ヘン
リーハドソンパークで野球する予定なんだ」
椎名は、ゆみに答えた。
「ハロー」
ゆみは、自分家のアパートメントのエントラ
ンスに入ると、そこのエントランスに立って
いた顔見知りの黒人ドアマンと挨拶した。
NY恋物語・第74話
「大丈夫かな」
ゆみは、不安を抱えながら、皆の後について
歩いていた。
でも、不安があっても皆の後について行くゆ
みには、みな同じ会社に勤める保護者がいて
同じアパートメントに住んでいて、お友達に
なった良明が同じ日本人だと知って、少しだ
け良明君の家へ遊びに行ってみたいという気
持ちが芽生えてもいた。
「一緒のアパートメントに住んでいるの?」
ゆみは、良明にも聞いてみた。
NY恋物語・第73話
「やっぱり良明君の家に行くのやめようよ」
ゆみは、ヒデキに言った。
「なんで?」
「だって、お兄ちゃんと同じ会社なんでしょ
う。もしかしたら、お兄ちゃんになんか言わ
れてしまうかもしれない」
「ゆみちゃんが怒られることはないって」
ヒデキは、ゆみに言った。
「だって、バレッタを壊したのは良明、ゆみ
ちゃんは何も悪くないのだから」
ヒデキは、どんどん前へと歩いていた。
NY恋物語・第72話
「良明のお母さんに言いつけような」
ヒデキは、ゆみにそう命じていたが、ゆみ自
身は、あまり気が進まないでいた。
「ね、ヒデキ君のお父さんって、私のお兄ち
ゃんと同じ会社で働いているよね」
「そうだね」
「それじゃ、良明君のお父さんも、お兄ちゃ
んと一緒の会社で働いているの?」
「それは、もちろんそうでしょう」
ヒデキが、ゆみに答えた。
「そうだったんだ」
NY恋物語・第71話
ヒデキのお父さんも、良明のお父さんも、ゆ
みの兄も同じ日本の商事会社に勤めていた。
なので、勤めている商事会社ニューヨーク支
店の総務部でまとめて手配した同じアパート
メントに皆住んでいるのだった。
実は、ヒデキの住む部屋も、総務部配属の隆
が準備したものだった。
「とりあえず行こう」
ヒデキは、ゆみの壊れたバレッタを片手に皆
の先頭を歩き出した。
他の3人もヒデキの後について行く。
NY恋物語・第70話
「え、そこまではしなくても」
「いや、ちゃんと言わないとダメだ」
ヒデキは断言していた。
「良明のお母さんに言いに行きな」
「私、良明君の家がどこか知らないし」
ゆみは、ヒデキに言った。
「良明の家って、ゆみちゃんと同じアパート
メントに住んでいるよ」
「え、そうなの?」
ゆみは、ヒデキに聞いて驚いた。
「そうだよ。俺らみな同じアパートメント」
NY恋物語・第69話
「良明が壊したよな」
ヒデキと椎名が決めつけ、良明に迫った。
ゆみは、ヒデキたちと同じ5年の同級生では
あるが、飛び級により本来の学年よりも3年
上に進級していた。そのため、ヒデキ達とは
3歳年下なので2人に決めつけられてしまう
と反論しづらくなってしまう。
「これは、良明のお母さんに言って、弁償し
てもらった方がいい」
「まあ、話した方が良いかもしれないな」
ヒデキと椎名は、勝手に話を進めていた。
NY恋物語・第68話
「これ、先週末のウィークエンドにお兄ちゃ
んが買ってくれたばかりだったのに」
「良明のやつが壊したな」
ヒデキが、ゆみに言った。
「別に、良明君が壊したわけじゃ」
「いや、良明が明らかに壊した」
ヒデキが決めつけていた。
「良明が壊したよな」
ヒデキは、椎名に同意を求めていた。
「まあ、良明が壊したといえば壊したかな」
椎名が、ヒデキに答えた。
NY恋物語・第67話
ゆみと良明の手が離れた瞬間、良明の手が、
ゆみの髪に触れた。良明の手が、ゆみの髪に
当たって、髪に付けていた猫のバレッタが階
段の下へと落ちていった。
「あ、バレッタが落ちちゃった」
ヒデキが走って、階段の下へ行くと、ゆみの
バレッタを拾い上げた。
「壊れちゃっているよ」
ヒデキは、バレッタをゆみに見せた。
ゆみのバレッタは、半分に割れてしまってい
て、髪留め部分が割れてしまっていた。
NY恋物語・第66話
「日本人だし、日本語わかるし、いいかげん
にその繋いでいる手を離せよ」
ヒデキは、ゆみの握っている手を良明から離
すように言った。
「別に日本人だって、私たち仲良しなんだし
クラスメートなんだから、手をつないでも良
いでしょう」
「誤解するから、手を離せよ」
ヒデキは、ゆみの握っている手を無理やり良
明から離させようとした。
「え、ちょっと危ないったら」
NY恋物語・第65話
「良明は日本人だよ」
「ヨシュワキー君って日本人なの?」
「ヨシュワキーじゃないよ、良明、岡島良明
っていう名前だよ」
ヒデキは、良明の名前をゆみに伝えた。
「名前が日本人じゃないの」
ゆみは、ヒデキから聞いて驚いていた。
「アスター先生は、ヨシュワキーって教えて
くれたのに」
「うまく発音できなかったんだろう」
椎名が、ゆみに答えた。
NY恋物語・第64話
ゆみは、良明とつないでいる手を仲良く振っ
て見せながら、ヒデキたちに答えた。
「なんで?」
「なんでって、私たちは同じクラスなの」
ゆみは、ヒデキに答えた。
「私、中国語は話せないし、言葉は通じない
かもしれないけど、同じクラスで仲良しにな
れたのよ」
「中国人?」
ヒデキは、ゆみから良明が中国人だと聞いて
おかしくて笑い出してしまっていた。
NY恋物語・第63話
ゆみと良明が廊下の階段を上がっていると、
後ろから少年が2人、大声でお喋りしながら
階段を駆け上がり、追い越して行った。
「あれ、ゆみちゃん!」
少年たちは、階段の上から振り向いて、ゆみ
に声をかけた。ヒデキと椎名の2人だった。
「え、なんで、ゆみちゃんは良明と仲良く手
をつないでいるの?」
ゆみへの一方的な好意をよせているヒデキが
ゆみに聞いた。
「私たちクラスメートだもの」
NY恋物語・第62話
「ミスタールビンのところに行こう」
ゆみは、良明の手を引いて、ミスタールビン
の教室に移動した。
「今日は、ミスタールビンも風邪でお休み」
ミスタールビンのアシスタント先生が、ゆみ
に伝えた。
「どうする、ヨシュワキー君も帰ろうか」
ゆみは、ヨシュワキーに聞いた。が、良明は
ゆみの質問にも黙ったままだった。
「行くよ!」
ゆみは、ヨシュワキーの手を引いた。
NY恋物語・第61話
「ミスタールビンのクラスはあると思うから
ゆみはヨシュワキーを連れて行ったら、その
後は家に帰っていいわよ」
アスター先生は、ゆみに伝えた。
「それじゃ、私たちは先に帰ろうかな」
チェッカーをしていた2人は、チェッカーゲ
ームを片付けると、ゆみに言った。
「わかった、バイバイ!また明日ね」
ゆみは、シャロルたちと別れると、良明と2
人だけになった。
「ミスタールビンの教室に行こうか」
NY恋物語・第60話
猫のバレッタは、先週末、隆と一緒にブルー
ミングデールへお買い物に行ったとき、買っ
てもらったものだった。
猫のバレッタをいじり終わると、シャロルと
マイケル2人が遊んでいるチェッカーゲーム
を眺めていた。
「今日の5年生の午後の授業はありません、
お休みになりました」
アスター先生が、皆のテーブルを周って、ク
ラスの生徒たち皆に伝えていた。
「食べ終わったら、帰宅して大丈夫ですよ」
NY恋物語・第59話
良明は、ランチタイムでも何も食べずに、ゆ
みの横に腰掛けているだけだった。
「私の食べる?」
ゆみは、自分の持ってきたサンドウィッチを
良明に差し出したが、受け取ってもらえなか
った。
「マイケル、チェッカーやろうか」
食事を食べ終わって、シャロルはマイケルと
ボードゲームのチェッカーを始めた。
ゆみは、食事の後、自分の長い髪に付けてい
る猫のバレッタをいじっていた。
NY恋物語・第58話
ゆみの違和感の一つは、ヨシュワキーがチャ
イニーズとわかった後も、月曜と木曜の午後
は、いつもミスタールビンの教室に彼を連れ
て行っていたことであった。
「ミスタールビンは、日本語で英語を教える
先生なんだけどな」
ゆみは、不思議に思っていた。
「ミスタールビンって中国語も話せるの?」
ランチタイム
相変わらず、ヨシュワキーは、お弁当を持っ
て来ていなかった。
NY恋物語・第57話
先生に言われて、ゆみは大きく頷いた。
「ヨシュワキー君、私は中国語はよくわから
ないけど、仲良くしてね」
ゆみは、良明に言った。
そして、それからは、ゆみの言葉がヨシュワ
キーに伝わらなくても、ゆみがヨシュワキー
の手を引いて、手話のように指図していても
クラスの誰も笑わなくなった。
「でも、変よね」
ヨシュワキーが中国人であることがわかって
も、まだゆみには違和感が少しあった。
NY恋物語・第56話
マイケルも、アスター先生に彼がジャパニー
ズでなくチャイニーズであることを説明して
くれていた。
「チャイニーズだったかしら?」
アスター先生は、名簿を確認しながら、チャ
イニーズだったかしらと少し疑問に感じてい
たが、彼女自身もジャパニーズとチャイニー
ズはよく似ていて違いがよくわからないので
マイケルに返答出来ずじまいだった。
「チャイニーズでも良いじゃない、ヨシュワ
キー君と仲良くしてあげなさいね」
NY恋物語。第55話
「明日、シャロルにも話してみる」
ゆみは、マイケルに自分の日本語が下手と言
われたのが、かなりショックだった。
「彼は、チャイニーズだったのよ」
「ああ、チャイニーズね」
シャロルは、隆の話をゆみから聞いて、納得
していた。隆のことを、すごく頭が良くて優
しいゆみの兄と思い込んでいるシャロルは、
隆の言うことは何でも信じてしまうのだ。
「アスター先生、ヨシュワキーはジャパニー
ズではなくチャイニーズなんです」
NY恋物語・第54話
「中国人?」
「名前からして、ヨシュワキーなんて名前の
日本人は流石にいないだろう」
「そうか!中国人だったのね!」
ゆみは、隆に聞いて、なるほどと思った。
「確かに、おまえの日本語は下手だけど、日
本人なら通じないってことはないよ」
「そうか、そうよね!中国人だったのね!そ
ういうことだったのね」
ゆみは、隆の見解に納得した。海外だと日本
人と中国人は外見がよく似て見えるものだ。
NY恋物語・第53話
「ヨシュワキー君っていうの、私の隣の席に
なったんだけど」
ゆみは、珍しく由香ではなく、隆に学校であ
ったことを話していた。
「私、もっとお兄ちゃんと日本語で話して、
日本語をちゃんと勉強しておけばよかった」
「ぜんぜん通じなかったのか」
隆は、ゆみの日本語がぜんぜん通じなかった
ことを聞いて、思わず吹き出していた。
「でも、ヨシュワキーって名前からして、日
本人ではなく中国人なのかもしれないな」
NY恋物語・第52話
「お兄ちゃん、うちのクラスに日本人の新入
生が初めて来たのよ」
ゆみは、夕食の時、隆に話していた。
「そうなのか!だから、お兄ちゃんが言った
じゃないか、一緒のクラスになるって」
「え、日本人の新入生って女の子じゃないよ
男の子なんだよ」
「なんだ、そうなのか」
「ヨシュワキー君って男の子なの」
ゆみは、隆に伝えた。
「ヨシュワキー君?」
NY恋物語・第51話
「私は受けないわよ。うちのクラスの新入生
を連れて来ただけなの」
ゆみは、ヒデキに答えた。
「でも、私もミスタールビンに英語じゃなく
日本語の勉強してもらいたいかも」
午前中ずっと新入生に話しかけていた自分の
日本語が全く通じなかったことを思い出して
ゆみはヒデキに答えた。
「え、ゆみちゃんのクラスに日本人の新入生
が入ったのって珍しくない」
「そうなの、初めての日本人」
中古車輸出・第27話
彼は、スリランカにあった店では、お店に車
を買いに来る主にスリランカ人相手の店頭販
売スタッフだった。
ここ横浜の貿易会社に赴任してからは、ネッ
トを介したメールやチャットでの販売なので
それまで店頭で販売しており、メールやパソ
コンがあまり得意でなかった彼としては、車
の受注を取るために苦労の連続だった。
1番の古株で、長年スリランカ店で頑張って
きてくれた彼に、社長も車の受注が取れるよ
うに必死で応援してくれていた。
中古車輸出・第26話
もう1人のスリランカ人男性の方は、もとも
と横浜の貿易会社スリランカ店で働いていた
スタッフだった。
といっても、横浜の貿易会社でスリランカに
店を構えていたのは、5年以上前のことで、
5年前にスリランカの店を閉じてから、彼は
日本にやって来て、ここ横浜の貿易会社で働
くようになっていた。
育成部門の日本人スタッフ達も、2年前から
ここで働くようになったばかりなので、ここ
横浜の貿易会社では、1番の古株だった。
中古車輸出・第25話
「シャラン、モルジブはどうだった?」
「一応、海外バイヤーからお返事は来たよ」
ゆみが話しているシャランが、輸出部門配属
のスリランカ人のうちの1人だった。
輸出部門には、シャランの他にスリランカ人
の男性がもう1人いた。
「お返事来たのだったら、良かったね」
シャランは、ゆみがここ横浜の貿易会社に入
社する3ヶ月前ぐらいに中途入社したスタッ
フだった。ゆみよりは少しお姉さんだったが
同じ女性同士で仲良くなっていた。
中古車輸出・第24話
育成部門のスタッフは皆、日本人だった。3
人とも大学を出て数年ぐらいの若いスタッフ
ばかりだ。
それに対して、輸出部門のスタッフは、部長
とゆみを除いて、他は全て外国人スタッフば
かりだった。
輸出部門は、少し前まではベトナム人、オー
ストラリア人にカナダ人のスタッフだった。
現在は、アフリカのケニア人、タンザニア人
にスリランカ人の構成だった。
結構、入れ替わりの激しい部署だった。
中古車輸出・第23話
「そうなんだ。ハイエースならば、いくらで
もあるんじゃないの」
「まあ、そうだろうけど」
2人は、笑顔で笑っていた。
「古物商許可証って、どうやったら取れるの
さ。警察に行っても、文句ばかり言われて取
れないよ」
受講者から愚痴をこぼされる時よりも、
「初めて車のオファーが届いたよ」
そう報告される方が、受講者達の成長も感じ
られて嬉しくなる瞬間だった。
中古車輸出・第22話
「オファーが来たんだってさ」
育成部門の担当者が、ゆみの作ってあげたホ
ームページに車のオファーが初めて来たこと
を、ゆみに報告してくれていた。
「そうなの、良かった」
ゆみは、彼に言った。
「アフリカからのオファーで、ハイエースを
リクエストされているんだそうだ」
輸出部門担当者は、話してくれた。
「これから、中古車オークション会場から車
を探して、返事を書くんだそうだ」
NY恋物語・第50話
「ゆみちゃん!」
ミスタールビンに良明をお願いして、自分の
クラスに戻ろうと歩き出したゆみは、教室の
後方から呼び止められた。
「あら、こんにちは」
ゆみは、ヒデキに挨拶した。
ヒデキも、ミスタールビンの英語の授業を受
けていたのだった。
「どうしたの?ゆみちゃんもミスタールビン
の授業を受けるの?」
ヒデキは、ゆみに聞いた。
NY恋物語・第49話
「ゆみ、久しぶりじゃないか」
ミスタールビンは、ゆみに日本語で言った。
ミスタールビンは、大学で日本語を勉強して
いて、日本人と同じぐらい上手に、きれいな
日本語を話せる先生だった。
「うちのクラスのヨシュワキー君です」
ゆみは、ミスタールビンに紹介した。
「こんにちは、ヨシュワキー君」
ここPS24小学校では、日本から来たばか
りの日本人生徒たちを集めて、ミスタールビ
ンが英語の授業を行なっていた。
NY恋物語・第48話
「私たち、先に行っているね」
シャロルは、ゆみに言った。
ゆみたちの午後の授業は音楽だった。ゆみは
良明をミスタールビンの教室に連れて行かな
ければならなかったので、シャロルは、先に
音楽室へ向かった。
「これからミスタールビンの教室に行くの」
ゆみは、良明に説明した。
「ミスタールビンは、私よりも日本語がすご
く上手だから、話しやすいと思うよ」
ゆみは、良明に伝えた。
NY恋物語・第47話
「私のサンドウィッチ、半分食べる?」
ゆみは、自分の分のサンドウィッチを半分、
良明に差し出したが、良明は、結局それも全
く何も食べてくれなかった。
「ゆみ!」
アスター先生が、ゆみたちの座っているテー
ブルにやって来た。
「午後からの授業なんだけど、午後は、ヨシ
ュワキーはミスタールビンの授業なので、ミ
スタールビンのところに連れて行ってあげて
ちょうだい」
NY恋物語・第46話
アメリカの学校でのお弁当は、紙袋にサンド
ウィッチと缶ジュースを入れて持ってきてい
る子が殆どだった。
「ごはんだよ」
ゆみも、自分の紙袋を開くと、中から持って
来たサンドウィッチと小さな缶ジュースを出
して食べは味めた。
良明は、横の席に座ったままだ。
「ごはん持って来ていないの?」
ゆみは、良明に聞いたが、良明は黙ったまま
椅子に腰掛けていた。
NY恋物語・第45話
いつの間にか、ゆみは、日本語で説明すると
いうよりも、良明の手を引っ張って、移動さ
せるようになっていた。
「マイケルじゃないけど、ゆみのそれっても
はや通訳じゃないよね」
シャロルも、ゆみの通訳を笑っていた。
食堂には、机と椅子が用意されていて、生徒
たちは、そこへ腰掛けてお昼を食べる。
お昼ごはんは、給食ではなくて、生徒たちそ
れぞれが持参して来た自分のお弁当を食べる
ことになっていた。
NY恋物語・第44話
「ゆみ、その通訳ならば、俺は日本語を全く
話せないけど、俺でも出来ると思うぞ」
マイケルが笑いながら、ゆみに言った。
確かに、今のゆみの誘導は、日本語らしい言
葉をまるで使っていない、手で引っ張っただ
けだった。
ランチタイムは、学校の地下にある食堂へ行
って、そこで食事をするのだった。
「食堂に行くのよ」
どうせ、ゆみが話す日本語は良明には通じな
いのだから、手振りで説明し始めていた。
NY恋物語・第43話
「次はランチタイムです、生徒の皆さんは教
室の前に並んでください」
アスター先生は、皆に言った。
午前の授業中、ずっとゆみは自分のルーズリ
ーフを広げて、良明にも見せて、一生懸命、
先生の話している授業の内容を説明していた
のだったが、ゆみの日本語が通じないらしく
て、良明はずっと黙ったままだった。
「ランチタイムよ。前に並ぼう」
ゆみは、良明の手を引っ張って、椅子から立
ち上がらせると、一緒に前へ並んだ。
NY恋物語・第42話
「アスター先生!ゆみの日本語がおかしくて
全然通訳になっていません」
マイケルが手を上げて笑いながら、アスター
先生に報告した。
「ゆみも、アメリカ生活の方が長くて、あま
り日本語得意じゃないから困ったわね」
アスター先生は、マイケルに苦笑した。
「ゆみちゃんは、簡単な日本語で良いから、
彼に説明してあげなさい」
もっとお兄ちゃんと日本語の勉強をしておけ
ば良かったと思っても今更手遅れだった。
NY恋物語・第41話
「私、ゆみ。ヨシュワキー君、こんにちは」
やはり、良明は何も言わず黙ったままだ。
「ね、たぶん日本語の発音おかしいのよ」
シャロルは、ゆみに言った。
以前、ヒデキ君たち日本人とゆみが会話して
いた時にも、ゆみの日本語の発音がおかしく
て、ヒデキたち日本人にさえ、ゆみの言葉が
通じなかったことがあったのを思い出した。
「そうかもしれない」
ゆみが、困ったようにシャロルの顔を見た。
「どうしたら良いかな」
NY恋物語・第40話
ゆみは、アスター先生に言われて、良明を自
分の隣の席に案内した。
「ヨシュワキー君、ここがあなたの席よ」
ゆみは、手で引っ張って椅子に座らせると、
良明に言った。
「ここ、あなたの席」
ゆみが話しかけても、良明は黙っていた。
「ゆみ、ゆみの日本語って発音下手だから通
じていないんじゃないの」
それを見て、親友のシャロルが、向かいの席
からゆみに言った。
NY恋物語・第39話
ゆみの隣の席には、マイケルがいた。
「マイケルは、向かい側のシャロルの横に席
を変わってちょうだい」
アスター先生は、ゆみの横の席を空けると、
そこに良明のことを座らせた。
「ヨシュワキー、ゆみの隣があなたの席よ」
アスター先生は、良明に伝えた。
「英語じゃ通じないか。ゆみ、あなたが日本
語で説明してあげてちょうだい」
アスター先生は、ゆみに命じた。
「こんにちは、ここがあなたの席よ」
NY恋物語・第38話
「えーと、彼の名前は、」
アスター先生は、紙に書いてある良明の名前
を読み上げようとして、苦労していた。
「これは、どう読んだらいいのかしらね」
アスター先生は、日本人の名前の読み方の難
しさに悩んでいた。
「えーと、多分ヨシュ。ヨシュワキーかな」
アスター先生は、なんとか読み切った。
「日本人同士だから、ゆみの隣の席にしまし
ょうか。ゆみちゃん、色々教えてあげてね」
アスター先生は、ゆみに言った。
NY恋物語・第37話
アスター先生は、良明には英語が通じないと
は思ったが、一応そんなことをお喋りしなが
ら、良明と歩いていた。
「はーい。皆さん、授業を始めますよ」
アスター先生は、教室の入口に立つと、中に
いる生徒たちに声をかけた。
「今日は、新しく仲間になる日本から来た新
入生を紹介します」
アスター先生は、良明のことをクラスの生徒
たちに紹介した。
「彼の名前は、」
NY恋物語・第36話
アスター先生は、良明と一緒に廊下を歩いて
教室へ向かっていた。
「こんにちは、アスターといいます」
アスター先生は、良明に自己紹介したが、良
明には英語が通じなかったようだった。
「まだ日本から来たばかりで、英語じゃわか
らないのか」
良明は、黙ったまま、歩いていた。
「うちのクラスには、日本人の女の子がいる
のよ。席は、その子の隣にする予定だから、
いろいろ学校のことは、彼女に聞いてね」
NY恋物語・第35話
岡島の奥さんも、中山先生たちと一緒に2人
の教室へついて行くことになった。
「隆くんは、もうここまでで良いわよ」
「良いんですか?」
「隆くんは、会社だってあるでしょう」
中山先生は、隆のことを解放してくれた。
「それじゃ、宜しくお願いします」
隆は、中山先生たちと別れると、車に戻って
マンハッタンの会社へ出勤した。
「意外に、早く解放してもらえた」
隆は、車の運転しながら呟いていた。
NY恋物語・第34話
そして、アスター先生は、良明を連れて自分
のクラスへと行ってしまった。
「こんにちは、行きましょうか」
ミラー先生は、美香に言うと、今度は、美香
を連れて一緒に行ってしまった。
由香と末っ子の萌香は、担任の先生に加えて
中山先生も一緒に、それぞれの教室へ向かう
こととなった。
「お母さんも、お子様たちと一緒に教室へ見
に行きますか?」
「お願いします」
NY恋物語・第33話
そして、中山先生は、奥にいたミラー先生に
声をかけて呼んだ。その手前にいたアスター
先生にも声をかけた。
「あ、今日からの新入生よね。承りました」
アスター先生は、中山先生に返事した。
「うちのクラスに入るのは彼かな」
アスター先生は、中山先生に確認すると、良
明のことを中山先生から引き継いだ。
「私も、ご一緒にクラスまで行きますか?」
「いらないわ。大丈夫よね」
アスター先生は、良明の顔を覗き込んだ。
NY恋物語・第32話
妹のゆみが通っている学校だし、ゆみは、こ
の学校では優等生で通っていて有名なので、
出会う先生皆に声をかけられて大変だった。
「あ、中山先生!」
「あ、隆くん」
中山先生は、この学校で学校事務の仕事して
いる日本人の事務員だった。
「先生、今日から岡島さんのところの子が通
うんで、宜しくお願いします」
「ああ、そうだったわね。聞いているわ」
中山先生は、隆に返事した。
NY恋物語・第31話
「ゆっくりめに走るから、明日からの通学の
ために学校までの道を覚えるといいよ」
隆は、皆に言った。
隆は、学校に着くと、かつて知ったる学校な
ので、入口から中に入るとすぐ手前にある職
員室に入って、中山先生の姿を探す。
「お、タカシ!元気ですか?」
「ハロー、ゆみがお世話になっています」
隆は、知っている先生に出会う度、皆に挨
拶をしていた。
「お世話になっています」
NY恋物語・第30話
「それじゃ、行きましょうか」
隆の愛車、オールズモービルの助手席には、
岡島さんの奥さんが座っていた。後部座席に
は、岡島さんの4人の子供が座っていた。
「学校って車で通うの?」
「歩いていけるから大丈夫だよ。今日だけは
俺が皆を学校まで送ったら、そのままマンハ
ッタンの会社に出勤しなければならないから
車で行くけど」
隆は、美香に説明した。
「それじゃ、出発するよ」
NY恋物語・第29話
「お兄ちゃんも、うちの学校へ来るの?」
「そうだな。10時ぐらいに行くけどな」
隆は、ゆみに答えた。
「10時?それじゃ、私は授業に遅刻してし
まうんだけど」
「ゆみは、時間になったら1人で行きな」
「一緒に行けないの?」
「遅刻しちゃうだろう」
隆に言われて、ゆみは1人で学校へ行った。
「なんだ、つまらない」
「行ってらしゃい」
NY恋物語・第28話
月曜日の朝、朝食を食べ終わった後、隆はソ
ファに座って、のんびりとテレビの朝のニュ
ース番組を見ていた。
ゆみは、朝食の後片付けをしながら、不思議
に思っていた。
「片付け終わったのか」
「うん」
ゆみは、隆に答えた。
「お兄ちゃん、会社に行かないの?」
「今日は、岡島さんたちを学校へ案内してか
ら、会社に出社するからゆっくりなんだ」
NY恋物語。第27話
「わからないぞ、アスター先生のクラスにな
るかもしれないぞ」
アスター先生は、ゆみのいるクラスの担任の
先生だった。
「そうかな」
ゆみは、隆の言葉にも、この件に関してはあ
まり期待していなかった。
「ゆみも一緒のクラスになれるといいだろう
「それは良いけど無理よ」
ゆみは、隆に答えた。
「でも、期待はしたって良いだろう」
NY恋物語・第26話
「ゆみと同じ学校に通うんだぞ」
「そうかな」
「美香ちゃんが、ゆみと同じクラスになるか
もしれないぞ。ゆみも日本人の友達がほしい
って言っていただろう」
隆は、ゆみに言った。
「同じクラスにはならないよ、だっていつも
日本人の生徒はロールパン先生のクラスだも
の、私と同じクラスにはならないよ」
PS24小学校では、日本人生徒が転校して
くると、ロールパン先生のクラスだった。
NY恋物語・第25話
「岡島さんの家族は5年生の男の子と妹が3
人いるんだよ」
「そうなのね」
ゆみは、あまり興味なさそうに答えた。
「その妹のうち、1番上のお姉さんが、ゆみ
と同い年の3年生なんだ」
「私と同い年なの」
「そう」
隆は、ゆみに答えた。
「そして、彼女たちはPS24に通うんだ」
「私と同じ学校じゃないの」
NY恋物語・第24話
「今日はさ、岡島さんのお迎えにケネディ空
港まで行ってきたんだ」
隆は、ゆみに伝えた。
「誰?私の知らない人」
「知らなくはないんだぞ。ゆみだって、小さ
い時には岡島さんにいっぱい抱っこしてもら
って、俺がうまく食事させられない時、代わ
りにごはん食べさせてくれたんだぞ」
隆にそう言われても、ゆみには全く記憶がな
く全然覚えていなかった。
「全然覚えていないんだけど」
NY恋物語・第23話
「ゆみの肉じゃが美味しいな」
隆は、夕食を食べながら、ゆみに言った。
「良かった」
「おまえは会った事ないはずなのに、おまえ
の料理は、お母さんの味と同じ味するよ」
隆は、妹の顔を覗きこみながら言った。
「最近、少しアメリカンっぽいけど、顔もお
母さんにますます似てきているな」
隆は、仕事から帰ってくると、姿だけは家に
母親がいるみたいに思えていた。
「私って、お母さんに似ているんだ」
NY恋物語・第22話
「うん、おばあちゃんが日本から送ってくれ
たじゃがいもで作ったの」
髪色も少し茶っぽく日本人離れしたアメリカ
ンな感じの少女が、少したどたどしい発音の
日本語で、隆に返事した。
髪は染めているわけではない、こっちの生活
が長く環境がそうしてしまっていた。
「ふふ、おまえは可愛いな」
隆は、エプロン姿のゆみを抱きしめていた。
小さい頃からずっと育ててきた妹なので、兄
であり父であり母でもあった。
NY恋物語・第21話
隆が岡島さん達に言った。
「何か困ったことあったら、すぐに呼んでも
らえれば、7階から駆けつけますので」
隆は、岡島さんの部屋を出ると、エレベータ
ーで降りて、7階の自分の部屋に戻った。
「ただいま」
隆は、家に帰ると、家で待っていてくれた妹
に声をかけた。
「お帰りなさい」
「お、今日は肉じゃがなのか?」
隆は、キッチンの鍋の中を覗き込んだ。
NY恋物語・第20話
「お父さん、脱いだ服がそのままになってい
るよ、仕方ないわね」
美香が、お父さんのベッドの上に脱ぎ散らか
されている服を呆れたように眺めた。
「それでは、後はごゆっくり」
隆は、岡島さんの家族に挨拶した。
「帰ってしまうの?」
「うん、妹が家で待っているからね」
「そうか」
「ちなみに、俺も、このアパートメントの7
階に住んでいるから、これから宜しくね」
NY恋物語・第19話
「さあ、どうぞ」
隆は、岡島さんから預かってきた家の鍵でド
アを開けると、岡島さんの家族を部屋の中に
招き入れた。
「うわ、広い家!」
隆が、リビングやダイニングと部屋を順番に
案内して確認していく。
「ここが君たち女性陣の部屋かな、そっちが
良明くんの部屋になるのかな」
隆が案内しながら、車から持ってきた荷物を
それぞれの部屋に入れた。
NY恋物語・第18話
「そう、このアパートメントの17階の部屋
が君たちの新しい家」
「そうなんですね」
「君たちのお父さんは、少し前にアメリカへ
先に来ていて、もうここに住んでいるよ」
「お父さん、先に住んでいたんだ」
美香は、隆に答えた。
「部屋へ案内しますね」
隆は、岡島さん達の家族と車を降りると、エ
レベーターに乗って上がっていく。
「大きなエレベーター!」
NY恋物語・第17話
「俺が会社で仕事して、ゆみが料理とか洗濯
とか家の中のことをしている」
「すごい!」
美香は、隆の話を聞いてますます驚いた。
「ほら、到着したよ」
隆は、車をアパートメントの駐車場に入れな
がら、皆に告げた。
隆たちのアパートメントは、マンハッタン郊
外のリバーデールという町に在った。
「ここが、私たちの新しい家なの」
美香は、建物を車の窓から見上げていた。
NY恋物語・第16話
隆は、岡島さんに感謝を伝えた。
「え、それじゃ、ゆみちゃんってお父さんも
お母さんもいないの」
「いないよ、俺だけ」
隆は、運転しながら美香に答えた。
「ごはんとかは、隆さんが作ってあげている
の?」
「昔は作っていたけど、最近は、料理はゆみ
が担当で作っている」
「そうなんだ」
美香は、同い年で料理しているのに驚いた。
NY恋物語・第15話
高校を卒業したばかりの隆に、そう簡単に就
職先など見つかるはずもなかった。
「隆くん、うちの総務部で働らかないか」
そんな時に、声をかけてくれたのが父親と同
じ商事会社のニューヨーク支店で働く岡島さ
んだった。
当時、父親はニューヨーク支店の支店長を務
めていた。そして、岡島さんがうまく話をつ
けてくれて、支店の総務部に配属してもらえ
ることとなったのだった。
「ありがとうございます」
NY恋物語・第14話
日本の祖父母や親族は、隆に妹はアメリカの
施設に預けて帰国しろと命じた。
しかし、隆には、今や両親を失って、家族は
まだ幼い妹1人しか残されていなかった。
「俺、進学はしないよ!こっちで仕事を見つ
けて妹を育てることにする」
隆は、帰国しろと言う祖父母や親族たちに自
分の決意を伝えた。
しかし、隆は、それまで進学する予定で、就
職活動も一切していなかった。
「どこに就職したら良いんだろうか」
NY恋物語・第13話
「隆は日本へ帰ってきなさい」
日本の祖父母や親族は、1人残された隆に提
案していた。
「日本に帰国するなら妹も連れて行く」
隆は、祖父母や親族たちに伝えていた。妹は
少し前に未熟児室から出てきたばかりで身体
がまだ弱い子だった。
日本行きの長時間の飛行機に搭乗できるだけ
の体力も持ち合わせていず、日本へ帰国する
ことはできなかった。
「アメリカは福祉がしっかりしているのよ」
NY恋物語・第12話
病院の職員たちが担架を抱えて、すぐに飛び
出して救助してくれた。
しかし、父と母は即死だった。
「うそでしょう、これから妹と2人だけで、
どうしたら良いんだよ」
隆は、幼い妹を抱えて呆然としていた。
3月
ジャパニーズスクールに通う隆にとっては、
高校卒業間近のことだった。
高校を卒業したら、隆1人で帰国して、日本
の大学へ入学することが決まっていた。
NY恋物語・第11話
それでも、ようやく未熟児室から出て、父親
が迎えに来て、母子ともに退院となった。
退院の朝
病院のエントランスロビーに飛び込んできた
大型トラックに巻き込まれて、隆たちの両親
は亡くなってしまった。即死だった。
「え、お父さん!お母さん!」
事故の時、たまたま妹を抱きかかえてエント
ランスのソファに腰掛けていた隆は、妹とも
どもトラックの事故には巻き込まれずに助か
ったのだった。
