中国人観光客が大幅に減少する中でも、訪日
観光市場は安定した推移を見せている。観光
庁によると、台湾と韓国からの訪日客数が増
加し、落ち込みを補う形となった。特に地方
都市ではリピーターの割合が高まり、買い物
中心から体験型観光へと需要が変化している
宿泊業界では客層の分散が進み、特定国への
依存度が低下。専門家は「市場は量から質へ
移行している」と分析し、今後は地域文化や
日常体験を重視した観光戦略が鍵になると指
摘している。
中国人観光客が大幅に減少する中でも、訪日
観光市場は安定した推移を見せている。観光
庁によると、台湾と韓国からの訪日客数が増
加し、落ち込みを補う形となった。特に地方
都市ではリピーターの割合が高まり、買い物
中心から体験型観光へと需要が変化している
宿泊業界では客層の分散が進み、特定国への
依存度が低下。専門家は「市場は量から質へ
移行している」と分析し、今後は地域文化や
日常体験を重視した観光戦略が鍵になると指
摘している。
明日はオリンピック閉会式が開催されます。
約2週間にわたり繰り広げられた熱戦の締め
くくりとして、各国の選手団が一堂に会し、
平和と友情を象徴するセレモニーが行われま
す。競技で見せた真剣な表情とは違い、笑顔
で交流する選手たちの姿も閉会式の見どころ
の一つです。また、次回開催都市への引き継
ぎセレモニーも予定されており、新たなオリ
ンピックへの期待が高まります。大会期間中
に生まれた数々のドラマを振り返りながら、
感動のフィナーレを迎えます。
佐藤麻美子の所属は総務部で、営業部に配属
となった隆とは別の部署になった。
「インターネット上に、こんなサイトがあっ
たら便利だろうな」
今井隆は、その会社で働いているときに思い
ついたサイトを具現化してみた。
「なかなか良い感じじゃないか」
サイトなんて一度も作ったことがない、プロ
グラミングのやり方なんて全くわからなかっ
たが、わからないことは検索しながら見よう
見まねで作り上げた。
今井隆は、佐藤麻美子に薦められたその会社
を受けてみた。すると、その会社に受かって
内定をもらうことができた。
「ありがとう、受かったよ!麻美子も、この
会社に就職するんだろう」
「え、そうね・・」
佐藤麻美子は、実はその会社には行くつもり
はなくて、別の内定をもらった会社へ行くつ
もりでいたのだが、今井隆にそう聞かれて、
思わず頷いてしまい、結局その会社へ隆と一
緒に入社することになってしまった。
今井隆は、大学の就職活動中のとき、なかな
か内定を取れず、就職先が見つからなくて悩
んでいた。
もうほとんどの同級生たちは、会社から内定
の通知をもらっていた時期だった。
もちろん、佐藤麻美子も、就職試験を受けた
会社から既にいくつか内定をもらっていた。
そんな中の1社に、まだ新卒の求人を募集し
ている会社があった。
「ね、この会社を受けてみたら」
佐藤麻美子は、今井隆にその会社を薦めた。
佐藤麻美子は、特にヨットに興味があるわけ
ではなかった。
大学時代からの同級生であった今井隆に、自
分のヨットがやっと横浜のマリーナに輸入さ
れてきたから一緒に見に行こうと誘われてつ
いてきたのだった。
「私じゃ役に立たないよ。っていうかこのヨ
ットの中で暮らせるんじゃないの」
「うん、暮らそうと思えば暮らせるよ、世界
中どこでも行けるし」
今井隆は、佐藤麻美子に答えた。
「私は、今日はたまたま隆のヨットがどんな
ヨットかなと思って、見に来ただけのことで
普段は別にヨットなんて乗りに来ないけど」
佐藤麻美子は、今井隆にそう返事した。
「え、毎週一緒に乗ろうよ」
「隆は、仲間と乗るんじゃないの」
「仲間もだけど、麻美子も一緒でいいよね」
そう答えていた佐藤麻美子だったが、まさか
これから先ずっと毎週末のように、今井隆の
趣味のヨットに付き合わされることになろう
とは思ってもいなかった。
普段から全くおしゃれなどしていない無頓着
な今井隆が、これを機会に、鏡台でメイクと
かして、少しは、おしゃれに目覚めてくれる
のかなと佐藤麻美子は思っていた。
「だから、俺は別におしゃれなんかしないけ
ど、麻美子はクルージングに行った時に、メ
イクできる鏡台とか必要だろう?」
今井隆は、佐藤麻美子に聞いた。
「私は、このヨットでクルージングなんかに
行かないけど」
麻美子は、隆に答えた。
「トイレは、後ろ側のこっちにも付いている
んだよ」
今井隆は、船の後ろの方の部屋に入って、そ
っちの部屋にあるトイレも佐藤麻美子に見せ
た。
「鏡台まで付いているじゃないの」
佐藤麻美子は、後部キャビンに入ると、ベッ
ドの横に付いている鏡台に気づいた。
「隆が、メイクとかおしゃれするの?」
佐藤麻美子は、今井隆に聞いた。
「別に、俺がするわけじゃないよ」
「麻美子が得意の料理を何でもここで作るこ
とができるよ」
「私、別に料理は得意じゃないけどね」
今井隆は、パイロットハウスの一段下に下が
った所にある台所を佐藤麻美子に見せた。
「こっちにはトイレも付いているから、海で
トイレへ行きたくなっても大丈夫」
今井隆は、船の前方に付いているトイレルー
ムを佐藤麻美子に見せた。
「ちゃんと水洗なのね」
「手でポンプ押さないとならないけどね」
ナウティキャット33には、デッキ中央部に
パイロットハウスと呼ばれる四方を窓で囲ま
れている部屋があって、船内に操船用のステ
アリングが付いていて、中でも操船できるよ
うになっていた。
その四方に付いている窓の両サイドの一部が
扉になっていて、その扉をガラガラと開くと
船内に入室できるように構成されていた。
その船内へ入ってみると、
「ほら、ギャレーっていうんだけど、台所も
ちゃんと付いているんだよ」
今井隆は、ヨットのデッキ上、中央付近に付
いているパイロットハウスの両サイドにある
扉を開くと、そこから船内に入った。ちなみ
に、今井隆の新しいヨットの周りに保管され
ているヨットの殆どが、デッキ上の床に扉を
スライドさせて開く入り口が付いていて、そ
こから船内に入れるようになっていた。
今井隆のヨットは、フィンランド製のナウテ
ィキャット造船所で建造されたヨットで、艇
種を「ナウティキャット33」という33フ
ィートのヨットモデルだった。
佐藤麻美子は、今井隆が立てかけた脚立を普
通に登ると、デッキに付いているライフライ
ンを飛び越えて今井隆のヨットに上がった。
「普通に上がれるじゃん」
「ズボンだし上がれるわよ。スカートなんて
本当小さい時しか一度もはいたことないし」
「そういえばそうだよな。麻美子は色気ない
ものな、俺も麻美子がスカートはいてるの見
たことなかったわ」
今井隆は、佐藤麻美子に答えた。
「早く中に入ろう」
佐藤麻美子は。キールの形なんかよりも、寒
さで早く暖かいところに入りたかった。
「中に入ってみるか?」
「ええ、寒いから中に入ろう」
佐藤麻美子は、今井隆の言葉に嬉しそうに頷
いていた。
佐藤麻美子は、今井隆の言う中とは、マリー
ナの建物の中のことだと思っていた。が、今
井隆は、自分のフィンランドで出来上がった
ばかりのヨットの船体に、脚立を立てかける
と脚立を登り始めた。
今井隆自身は、オーダーから半年以上待って
ようやくフィンランドから日本へ到着した自
分のマイボートに嬉しくて興奮しているため
寒さはあまり感じていなかった。
「キールが、これだけ長いだろう。うちのヨ
ットのキールは、ロングキールっていうんだ
よ。長期航海に向いているんだ」
今井隆は、自分のヨットのキールを一生懸命
に佐藤麻美子へ説明していたが、佐藤麻美子
の方は、キールがどんな形していようが、ど
うでも良かった。
今井隆は、横浜のマリーナに上架された念願
のマイボートの姿に感動していた。
「これが、フィンランドの造船所で建造した
という隆のヨットなの?」
佐藤麻美子は、横に立っている隆に声をかけ
た。隆は、黙って麻美子に頷いた。
「寒いよ」
佐藤麻美子は、今井隆に言った。
冬の横浜のマリーナは、海際にあって海風も
吹いているし、かなり冷たく寒かった。
「ね、クラブハウスに戻らない」