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ニューヨークピュアラブストーリー・第二十八話

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「じゃ、俺たちは4階だから」

エレベーターが4階に到着すると、英樹は椎

名と一緒にエレベーターを降りてしまった。

「一緒に良明君の家に行かないの?」

「俺たちは、野球の試合があるから」

英樹は、エレベーターの向こうから答えた。

「ちゃんと良明のお母さんに、良明に壊され

たことを言うんだよ!」

閉まりかけたドアの外から英樹が叫んだ。

エレベーターは、2人だけになった。

「何階ですか?」

ゆみが良明に聞いたが、良明は、学校にいる

時と同じように、ゆみの日本語が通じないの

か黙ったまま、立っているだけだった。

「日本人なのに、日本語どうして通じない」

ゆみが、良明の顔を覗きこむと、良明は14

階のボタンを自分で押した。

「ちゃんと通じていたんだ」

ゆみは、ちょっと嬉しくなった。

エレベーターは、14階で停止した。

良明は、14階でエレベーターを降りた。

ゆみも慌ててエレベーターを降りる。

「どっちですか?」

ゆみが聞くと、良明は降りて右側の廊下へと

進んでいった。突き当たりの部屋で止まる。

「ここですか?」

ゆみは、突き当たりの部屋のドアを見た。

良明は、回れ右をすると、またエレベーター

ホールの方に戻り始めた。

「え、違うの?間違えたの?」

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