ニューヨークピュアラブストーリー・第二十話 #ニューヨークピュアラブストーリー

「私の日本語は下手じゃない？」

「大丈夫、下手くそじゃないわよ」

由香お母さんは、ゆみに言った。

「だって、ゆみが話す日本語、ちゃんとお母

さんに通じているでしょう」

由香お母さんは、ゆみのことを笑顔で見た。

自分の日本語が下手と心配しているゆみの頭

を画面越しに撫でてあげたくなっていた。

「中国人だったんだ」

ゆみは、由香お母さんに言われて納得した。

「ただいま」

ゆみは、由香お母さんとの会話に夢中になっ

ていて、会社から帰って来て、家の鍵を開け

入ってきた兄の存在に気づかなかった。

「お帰り」

由香が画面越しに帰って来た隆に言った。

「ただいま、またチャットしてたんだ」

隆は、画面の向こうの由香に返事した。

「ゆみのクラスに転校生来たんだって」

由香は、隆に伝えた。

「それは中国人に決まってるよ」

隆は、由香から転校生の話を聞いて答えた。

「だいたい、日本人にヨシュワキーなんて名

前の人がいるわけないじゃないか」

隆は、日本語通じないと心配していたゆみの

話を由香から聞いて笑ってしまった。

隆は、今日ゆみのクラスに転校して来た生徒

と会った事がなかったが、ゆみから聞いた名

前だけで中国人だと判断できてしまった。

「中国人ってお弁当食べないの？」