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ニューヨークピュアラブストーリー・第三話

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「本当にニューヨークに残るんだ」

高校卒業後、両親と日本へ帰国することにな

っていた同級生の由香は、隆に聞いた。

「ああ、ゆみを1人で残せないだろう」

ゆみとは、母が命名した妹の名前だ。

「そうだけどね」

由香は、高校卒業したばかりの隆が、1人で

生まれたばかりの妹を育てられるのか少し心

配だった。

「おまえ、本当に育ててもらえるのか」

由香は、ゆみに飲ませるミルクを哺乳瓶に注

いで、ベッドで眠っているゆみの横に来た。

「ミルクの熱さは、このぐらいかな」

由香は、ゆみに哺乳瓶のミルクを飲ませた。

「ほら、美味しいでしょう。私のおっぱいが

出たら、哺乳瓶のミルクなんかではなく、私

のおっぱい上げるのに」

「なにそれ、おまえの娘じゃないんだから」

恋愛に鈍感な隆は、由香のことを笑った。

「ミルクより母乳の方が良いっていうよね」

「私もニューヨークに残ろうかな」

由香は、ゆみの寝顔を覗き込んで言った。

「そうすれば、ゆみちゃん育てられるし」

「何を言ってるんだよ。由香は大学生だろ」

隆は、由香に返事した。由香は、高校卒業後

日本の大阪大学経済学部への進学だった。

「隆もコロンビア大学に進学しないじゃん」

「俺は、妹がいるし仕方ないだろう」

「私も大学に行かなくても良いんだよな」

由香は、ゆみを撫でながらつぶやいた。

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