「本当にニューヨークに残るんだ」
高校卒業後、両親と日本へ帰国することにな
っていた同級生の由香は、隆に聞いた。
「ああ、ゆみを1人で残せないだろう」
ゆみとは、母が命名した妹の名前だ。
「そうだけどね」
由香は、高校卒業したばかりの隆が、1人で
生まれたばかりの妹を育てられるのか少し心
配だった。
「おまえ、本当に育ててもらえるのか」
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「本当にニューヨークに残るんだ」
高校卒業後、両親と日本へ帰国することにな
っていた同級生の由香は、隆に聞いた。
「ああ、ゆみを1人で残せないだろう」
ゆみとは、母が命名した妹の名前だ。
「そうだけどね」
由香は、高校卒業したばかりの隆が、1人で
生まれたばかりの妹を育てられるのか少し心
配だった。
「おまえ、本当に育ててもらえるのか」
由香は、ゆみに飲ませるミルクを哺乳瓶に注
いで、ベッドで眠っているゆみの横に来た。
「ミルクの熱さは、このぐらいかな」
由香は、ゆみに哺乳瓶のミルクを飲ませた。
「ほら、美味しいでしょう。私のおっぱいが
出たら、哺乳瓶のミルクなんかではなく、私
のおっぱい上げるのに」
「なにそれ、おまえの娘じゃないんだから」
恋愛に鈍感な隆は、由香のことを笑った。
「ミルクより母乳の方が良いっていうよね」
「私もニューヨークに残ろうかな」
由香は、ゆみの寝顔を覗き込んで言った。
「そうすれば、ゆみちゃん育てられるし」
「何を言ってるんだよ。由香は大学生だろ」
隆は、由香に返事した。由香は、高校卒業後
日本の大阪大学経済学部への進学だった。
「隆もコロンビア大学に進学しないじゃん」
「俺は、妹がいるし仕方ないだろう」
「私も大学に行かなくても良いんだよな」
由香は、ゆみを撫でながらつぶやいた。
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