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ニューヨークピュアラブストーリー・第六十一話

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良明は、英樹や椎名たち日本人とは、大きな

声で元気に元気にお喋りしていたが、ゆみが

側に行くと、いつもクラスで会っている良明

に戻って、何も話せなくなってしまった。

「お弁当は食べた?」

良明が、自分とはお話してくれないので、ゆ

みは治の所に行って、治に聞いた。

「食べてますよ」

バスケットのおにぎりやおかずを、日本人チ

ームの子達は皆、既に食べ終わっていた。

「治、これを良明君に渡してあげてほしい」

ゆみは、作ってきたお弁当箱に入った弁当を

治に手渡しながら、お願いしていた。

「なんで?ゆみちゃんが自分で渡したら」

「あたしだとお話もしてくれないし」

ゆみは、少し寂しそうに治へお願いした。

「これ、ゆみちゃんが作ってきたんだって」

治は、ゆみのお弁当箱を、ゆみに代わって、

良明の所に持っていって手渡した。

良明は、治からお弁当箱を受け取った。

「食べないの?」

治は、ゆみの弁当を受け取った良明が、食べ

ずに、ずっと膝に抱えたままなので、良明に

聞いてみた。

「いま野球してるから、後で食べるよ」

「皆、野球しながら食べているんだけど」

治が、良明に言うと、良明は、なるだけ自分

が食べている姿を、ゆみの方から見えないよ

うに、逆向きに座って、食べ始めた。

「なんで、そっち向いて食べているの?」

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