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ニューヨークピュアラブストーリー・第六十五話

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「日本食をダゴスティーノで買い物すること

は、お母さんに聞いたのか?」

隆は、ゆみに聞いた。

「お母さんって由香お母さんのこと?」

「違うよ。おまえの本当のお母さんだよ」

隆は、ゆみに言った。

ダゴスティーノの方が日本食の食材が良いか

らと、いつもダゴスティーノを好んでいたの

は、隆の亡くなった母だった。

「私、そのお母さんには会った事がないよ」

「おまえの亡くなったお母さんも・・」

よく、A&Pでお買い物をして、その後に日

本食だけ、わざわざダゴスティーノに買いに

行っていたのだと、隆は教えてやった。

「ぜんぜん知らない」

ゆみには、生まれてすぐに交通事故で亡くな

った母親、両親の記憶は一切無かった。

「無理もないか」

隆は、ゆみの頭を撫でてやった。

「買い物終わったら、帰ろうよ」

「ちょっと、寄り道していこうか」

ゆみが通うPS24小学校は、マンハッタン

からリバーデールへ通っているヘンリーハド

ソンパークウェイの沿道に在った。

パークウェイの道路を挟んで、学校と反対側

に在る商店街がジョンソンアベニューだ。

パークウェイに掛かっている歩道橋を渡れば

学校から商店街まで歩いてでも行ける。学校

の男の子たちは、よくジョンソンアベニュー

でベースボールカードを買っていた。

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