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ニューヨークピュアラブストーリー・第四十六話

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「食べてもいいの?」

ゆみは、良明から手渡された箸を受け取りな

がら、良明に聞いた。

良明は、ゆみに黙って頷いた。

これまで、ゆみが良明に日本語で話しかけて

も、ぜんぜん通じなかったのに、初めて、ゆ

みの話した日本語が、良明に通じたのだ。

ゆみは、感動してしまった。

「それじゃ、一口食べるね」

ゆみは、良明の弁当を一口もらった。

「美味しいよ」

ゆみは、良明のお弁当を一口食べさせてもら

って、笑顔で良明の顔を見た。

「いいな、お弁当を作ってもらえて」

ゆみは、良明に呟いた。ゆみのお母さんは、

幼い時、亡くなっているし、由香お母さんは

日本にいるので、リモートでは、お弁当を作

ることは、さすがに出来なかった。

「良明君も、お弁当を食べよう」

ゆみは、良明に言った。

良明は、ゆみに食事しようと言われて、自分

のお弁当を食べようかどうしようか悩んでい

た。周りの生徒たちを、チラッと見ると、生

徒たちが、自分の食べるところを見ている気

がしてきて、食べるのをやめてしまった。

「大丈夫よ、食べよう」

ゆみは、箸でお弁当のおかずを取ると、良明

の口元に持っていった。

「はい、食べて」

ゆみの差し出したおかずを良明は食べた。

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