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ニューヨークピュアラブストーリー・第四十話

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その日の晩、ゆみが寝てしまった後、日本の

由香からチャットで呼びかけられた。

「ね、日本人だったんだって」

由香は、隆に聞いた。ヨシュワキーならぬ岡

島さんの良明のことだった。

「あんたの会社の同僚だったんだって」

「同僚じゃないよ。先輩、岡島さんの長男」

「岡島さんのご長男だったの?」

由香も、当時、ゆみが生まれた時、隆と一緒

にニューヨークにいたので知っていた。

「ゆみのバレッタが壊れちゃったんだって」

由香は、隆に聞いた。

「ああ、あれは恥ずかしかったよ。あんなバ

レッタ1個で、文句言いに行くなんて」

「文句なんか言いに行っていないでしょう」

由香は、隆に反論した。

「そもそも、あれは良明君が壊したわけじゃ

ないし、良明君の手が、ゆみの髪に当たって

床に落ちてしまっただけだから」

日本にいる由香の方が事情をよく知ってた。

「学校で、恥ずかしがりやさんというか、自

閉症の子なんだって、その良明君って」

由香は、隆に説明した。

「あ、そうか、自閉症か。そういうのは」

隆は、由香から聞いて、なるほどと思った。

「ゆみに自閉症の事はどう説明しようかな」

「ゆみには、私がもう説明した」

由香は、隆に答えた。隆は、現場に一緒にい

た俺よりも、由香の方が、ゆみの事をわかっ

ているのが少し悔しかった。

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