その日の晩、ゆみが寝てしまった後、日本の
由香からチャットで呼びかけられた。
「ね、日本人だったんだって」
由香は、隆に聞いた。ヨシュワキーならぬ岡
島さんの良明のことだった。
「あんたの会社の同僚だったんだって」
「同僚じゃないよ。先輩、岡島さんの長男」
「岡島さんのご長男だったの?」
由香も、当時、ゆみが生まれた時、隆と一緒
にニューヨークにいたので知っていた。
ハッシュドッグはハッシュタグで今をつぶやけるSNSコミュニティ produced by 軽井沢タイムズ Noveller
※スマホの方は、横向きでご覧下さい。
その日の晩、ゆみが寝てしまった後、日本の
由香からチャットで呼びかけられた。
「ね、日本人だったんだって」
由香は、隆に聞いた。ヨシュワキーならぬ岡
島さんの良明のことだった。
「あんたの会社の同僚だったんだって」
「同僚じゃないよ。先輩、岡島さんの長男」
「岡島さんのご長男だったの?」
由香も、当時、ゆみが生まれた時、隆と一緒
にニューヨークにいたので知っていた。
「ゆみのバレッタが壊れちゃったんだって」
由香は、隆に聞いた。
「ああ、あれは恥ずかしかったよ。あんなバ
レッタ1個で、文句言いに行くなんて」
「文句なんか言いに行っていないでしょう」
由香は、隆に反論した。
「そもそも、あれは良明君が壊したわけじゃ
ないし、良明君の手が、ゆみの髪に当たって
床に落ちてしまっただけだから」
日本にいる由香の方が事情をよく知ってた。
「学校で、恥ずかしがりやさんというか、自
閉症の子なんだって、その良明君って」
由香は、隆に説明した。
「あ、そうか、自閉症か。そういうのは」
隆は、由香から聞いて、なるほどと思った。
「ゆみに自閉症の事はどう説明しようかな」
「ゆみには、私がもう説明した」
由香は、隆に答えた。隆は、現場に一緒にい
た俺よりも、由香の方が、ゆみの事をわかっ
ているのが少し悔しかった。
あなたもこのつぶやきにリプしよう。