ニューヨークピュアラブストーリー・第五十三話 #ニューヨークピュアラブストーリー

「そのうち、身体がもっと強くなってよ」

「いつのことやら」

「その前には、私もそっち行くし」

由香は、隆に答えた。

由香は、次の夏休みこそは、ゆみに会いに、

ニューヨークへ行こうと思っていた。

「社長だって、夏休みぐらいあるのよ」

由香は、隆に言った。

「そうなんだ。何にしにニューヨークに来る

の？高校以来の久しぶりの思い出の地巡り」

「何それ、ゆみに会いに行くのよ」

由香は、鈍感な隆に答えた。

「安いモーテルとか探しておこうか」

「もったいないからいいよ。私は、ゆみの部

屋で、ゆみと一緒に泊まるから」

由香は、隆に答えた。

「ゆみの部屋って、俺の部屋と一緒だけど」

隆は、ゆみと泊まるという由香に言った。

「だから、私が行った時だけ、隆はリビング

のエクストラベッドで寝ててよ」

由香は、隆に言った。両親がまだ存命だった

頃は、寝室を両親が使い、当時、一人っ子の

隆は、リビングの片隅をパーティションで仕

切って、子供部屋として使っていた。

由香は、その時のことを覚えているのだ。

「まあ、それでも良いけどさ」

「隆は隆のベッドで寝るか、私は、ゆみちゃ

んのベッドで一緒に寝るから」

「それだと俺とも一緒の部屋だぞ」

「別に良いんじゃないの」