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ニューヨークピュアラブストーリー・第五十八話

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「皆、野球もうやっているよ」

お昼近くにシートンパークへ着くと、良明た

ちが野球のグランドで野球している姿が見え

た。ゆみは、メロディと一緒に、皆が野球を

しているグランドへ走っていった。

「ゆみちゃん!」

ゆみは、ダッグアウトのベンチに腰掛けてい

た治(おさむ)に声をかけられた。

「治君も野球していたんだ」

「うん。補欠だけどね」

「よし、ホームラン!」

この試合、何度目かのホームランを打った樺

村は、ガッツポーズをしていた。

試合は、日本人チームのボロ負けで、アメリ

カ人チームの大勝中だった。

日本人チームでピッチャーしている英樹は、

投げても投げても打たれるので、疲れ切って

いた。そんなチームの皆を、大きな声で気合

を入れていたのが、良明だった。

「頑張っていこうぜ!」

「大きな声・・」

ゆみは、学校のクラスでは、絶対に聞いたこ

とのない良明の大きな声に感動していた。

「かっこいいよ、すごい!」

やっと、スリーアウトでアメリカ人チームの

攻撃が終わって、ベンチに戻ってきた良明に

ゆみは声をかけた。

ゆみが声をかけると、それまで大きな声を出

して、野球をしていた良明が、急に静かにな

って、ベンチに腰掛けた。

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