ニューヨークピュアラブストーリー・第五話 #ニューヨークピュアラブストーリー

「大きくなったね」

隆は、当時５歳だった岡島さんの長男、良明

に声をかけた。隆は、まだまだ若いつもりで

いたが、良明の成長した姿を見ると、自分も

結構おじさんになっているんだと感じた。

「桐香ちゃんは、うちの妹と同い年だよね」

隆は、岡島さんの長女にも話しかけた。

桐香は、自分と同い年の隆の妹と一緒の学校

だと聞いて、日本語のわかるクラスメートが

いてくれる事に安堵していた。

隆は、岡島さんたちの荷物を自分の車に積む

と、空港の駐車場を出て走り出した。

「ね、この車って」

「ええ、うちの父が乗っていた車です」

隆は、岡島さんの奥さんに答えた。

「由香ちゃんと京香ちゃんは初めてだね」

「はい」

岡島さんの次女と三女が隆に答えた。

「帰国後、日本で生まれた子だからね」

岡島さんの奥さんが答えた。

「すごい大きな街」

「あれはマンハッタンだよ」

隆は、車を運転しながら、皆に説明した。

「皆の住むリバーデールは向こう岸だから」

隆は、ニュージャージー州側からジョージワ

シントンブリッジを渡って、マンハッタンの

街へと車を移動させた。

マンハッタンは大きな島だ。

その島にかかった小さな橋を渡ったところが

隆たちの住むリバーデールの街だった。