ニューヨークピュアラブストーリー・第十八話 #ニューヨークピュアラブストーリー

「食べないの？」

ゆみが聞いても、ヨシュワキーは、ゆみのあ

げたサンドウィッチを一口も食べない。

お昼のランチタイムが終わっても、ゆみのあ

げたサンドウィッチは、そのままなので、ゆ

みはサンドウィッチをジップロックにしまう

と、ヨシュワキーの抱えているバッグの中に

入れてあげた。

「お家に持って帰って食べてね」

ゆみは、ヨシュワキーに伝えた。

「お兄ちゃん、まだ帰っていないか」

ゆみが学校から帰っても、親代わりの兄は会

社で働いているので、家には誰もいない。

ゆみの両親は、ゆみが幼い頃に交通事故で亡

くなっているため、両親はいなくて１８歳差

の兄と２人暮らしだった。

ゆみは、リビングのノートパソコンを開いて

パソコンのチャット画面を開いた。

「ゆみちゃん、お帰り」

画面の向こうから女性が返事した。

「お母さん、ただいま」

ゆみが、パソコンでチャットしている相手は

由香さんという兄が高校生だった頃に学校の

同級生だったゆみの母親代わりだ。

由香さんは、日本の大学を卒業してから、自

分の父が経営する物流会社に就職して、働い

ていた。ゆみがチャットでアクセスすると、

時差の関係で日本時間が真夜中の時もあるだ

ろうけど、いつも笑顔でゆみの話を聞いてく

れるとても優しいお母さんだった。