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クルージング教室物語・第二十三話

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隆の車は、BMWのブルーの2人乗りのスポ

ーツカーだった。マリーナで愛艇のラッコと

並べて停めた時に、なんとなくかっこ良くマ

ッチするのではないかと思って、このスポー

ツカーを選択したのだった。

「なんで、こんな車を買ったの?」

麻美子は、助手席で隆に聞いた。

「助手席以外、誰も乗れないじゃない」

「それが良いんじゃないか」

隆は、麻美子に答えた。

「可愛い女の子と2人乗って」

「乗ってくれる可愛い女の子がいるんだ」

「今はいないけど」

隆は、麻美子に答えた。

「車があれば、出来るかもしれないだろう」

「浅はかね」

麻美子は、運転する隆の頭を小突いた。

「麻美子は、車を買わないの?」

麻美子は、父のサンフランシスコの会社でも

車を運転できるように国際免許も持っていて

隆よりも車の運転は得意だった。

「この車を一緒に買い替えようか」

「この車を?」

「うん。もっとヨットのメンバー皆が乗れる

ような大きい車に買い替えようよ」

そして、エスティマという中古の大きなマイ

クロバスに買い替えることになった。

「デカいな、俺は運転しづらいな」

麻美子に比べて、あまり車の運転が得意では

ない隆は、納車のエスティマを見て呟いた。

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