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クルージング教室物語・第四話

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「なんか寒いよ」

麻美子は、ヨットに初めて乗る。風が強く冬

の海は、厚いコートを着ていても寒い。

「ね、中に入っていても良いかな」

麻美子は、寒さに耐えられず、キャビンの中

に早々に逃げ込んでいた。初めて乗るヨット

は、もっと暑い夏に経験したかった。

「もう来週は、寒いから勘弁ね」

寒い海のヨットからマリーナに帰ってきた麻

美子は、隆に言った。

「え、来週もヨットを出そうよ」

隆は、麻美子のことを来週も誘ってきた。

「麻美子は、ずっと船内の暖かいキャビンに

入っていても良いからさ」

1人で海にヨットを出航させるのも心配だし

結局、隆の誘いに負けて、来週末も、さらに

その次の週も一緒に、ヨットへ乗せられる麻

美子であった。

冬のマリーナは寒いせいか、やはり夏に比べ

ると、マリーナに、船へ乗りに来る人たちの

数は少ない。

初めは、自分のヨットを所有できて嬉しい隆

が、寒い冬で誰も一緒に乗ってくれる人がい

ないとかわいそうかなと思い、ずっと冬の間

隆に付き合って、ヨットに乗っていた麻美子

だったが、だんだんヨットにも慣れてきた。

「セイルを上げる?」

「ああ、メインセイルを上げようか」

隆の号令で、麻美子はヨットのメインセイル

を1人で上げ下げできるようにもなった。

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