冬の間ずっと隆と一緒に乗っていたおかげで

いちおう中央の一番背の高いメインセイルと

先頭についているジブセイル、最後部の操縦

席の近くにあるミズンセイルを上げてヨット

を動かすっていうことぐらいは、麻美子でも

理解できるようにはなっていた。

でも、基本的にヨットのことなんて全然わか

らなかった。

「こんな私が、ヨットに乗り続けていても仕

方ないじゃないの」

麻美子は、そう考えていたのだった。