「あそこまで登るのは嫌だな」

中村さんは、山の上の方に見えている館山城

の屋根を見上げて、ため息をついていた。

「しかも皆、若いから歩くの速いのよね」

麻美子も、前を行く皆を眺めて、中村さんに

話を合わせていた。

「隆ー!」

1番先頭を歩いている隆を大声で呼んだ。

「早くぅー、待っているよ」

隆が、後ろを振り返って麻美子に返事した。