麻美子の父は、しきりに隆のことを自分の貿

易会社に誘いたがっていた。

「お母さんも、隆くんが、うちの麻美子と

一緒になってくれたら、中目黒の実家にあ

るもの全部、隆くんに譲ってしまうわ」

麻美子の母は、キッチンにある高級な食器が

飾ってある棚の中を眺めながら、隆に話しか

けていた。

「ありがとうございます」

隆は、麻美子の母親にお礼を言った。

「え、隆ってそうなの?」