帰りは、出港時にだけかけていたエンジンを

停止して、風の力だけで順風満帆にセイリン

グで横浜を目指していた。

「やっぱり、風が吹くと、うちよりアクエリ

アスの方が速いんだな」

隆は、風を受けて、ラッコよりも遥か先を走

っていくアクエリアスの姿を見て、呟いた。

「うちのヨットって遅いの?」

瑠璃子が隆に質問した。

「そうね。まあ、遅いわな」