隆は、普段、会社がある平日は、ここではな

く渋谷の自分の家で過ごしていた。

麻美子の母にとっては、隆とは、週末の休日

しか会えないので、今夜は中目黒の家で過ご

してほしかったようだ。

「これから、夜道を走って横浜まで向かうの

も面倒だし、明日の朝でいいか」

「隆が、それで良いなら、私は別にどっちで

も良いけどね」

麻美子は、取ってきた鍵を元あった場所に戻

しながら、隆に返事した。