佐藤麻美子は。キールの形なんかよりも、寒
さで早く暖かいところに入りたかった。
「中に入ってみるか?」
「ええ、寒いから中に入ろう」
佐藤麻美子は、今井隆の言葉に嬉しそうに頷
いていた。
佐藤麻美子は、今井隆の言う中とは、マリー
ナの建物の中のことだと思っていた。が、今
井隆は、自分のフィンランドで出来上がった
ばかりのヨットの船体に、脚立を立てかける
と脚立を登り始めた。