「え、愛菜じゃん」

目の前を走り抜けていったヨットを操船して

いた女の姿を見て、洋ちゃんが言った。

さっき、艇庫からヨットを出すのを手伝って

あげようとして、余計なことをするなと怒ら

れた相手の愛菜だった。

「マジかよ、愛菜に負けてしまった」

洋ちゃんは呟いていた。

ヨットレースのライバルとして、佐々木や片

桐の乗っているヨットはマークしていた。