風下側を走っていた江口のヨットは、風上側

にいる小林のヨットに避けろとばかりに叫ん

でいた。

先週、初めてのヨット教室で覚えたばかりの

ヨットレースのルールだったが、子供たちは

早速、そのルールをレースで使いこなしてい

るのだった。

「あ、10分前の笛の音が鳴りました!」

健ちゃんは、ボートの上の片桐先生が吹いた

笛の音に気づいて、洋ちゃんに伝えた。